谷川道子ブログ

東大大学院修了(ドイツ演劇)。東京外国語大学教授。現在、東京外国語大学名誉教授。

同級生交歓

同級生交歓

  梅雨バテや、その直後からの猛暑バテで、このブログも長いご無沙汰…。生きて、書くべきこともそれなりにあって動いてはいたのだが、このブログまではエネルギー到らず…でもせっかく始めさせて貰ったので、ぼちぼちでも、続けようかと…

 

 「ブログ開設の辞」で触れた「同級生交歓」は、「文芸春秋」誌のあの由緒ある写真頁掲載のための撮影会であった。いったいあの頁はどうやって成立しているのだろうと眺めていたものが、いきなり急にメールで一緒に出てくださいの依頼・・・これも、エ、ウッソーの次元。私なんぞが出ていいの? と尋ねる間もなく、有能な同級生たちの手に依って、あっという間にお膳立てが整ってしまって、撮影+交歓会。個人的にはブログ開設のおまけまでついて、八月号に見開きページで掲載された。古希に近い六人の同級生の紅一点、超照れくさいが、すでに刊行公開されているので、ご笑覧ください!さすが「文芸春秋」で、何人かの縁りの方からお便りも頂いたので、やはり、その同窓会のことから再開を…

 

甲南の校名が、大久保甲東(利通)と西郷南州(隆盛)に由来することも初めて知ったほど情けない卒業生だが、桜島を望む蔦の絡まる窓の昭和初期モダニズムの風情のある校舎での三年間、初赴任の九大教養部の教室での懐かしい学生のかごんま弁との再会…どれもこれも忘れがたい。

だが、同窓会というようなものは、エタ-ナル・ナウの芝居屋にはどうも苦手で縁遠い。目の前のことに追われて精一杯で、ついぞご無沙汰だった。それが、二〇〇八年、母校鹿児島県立甲南高校が創立百周年を迎え、同級生の東修一先生が校長さんになられ、その記念講演会にこれもいきなり依頼招待された。「僕が校長になったら谷川さんを呼ぼうと思っていたから」と説得されては、しかもこれは、現役の高校生たちが中心になった甲南塾推進委員会によって、「地球規模でものを考えるリーダー育成」のために、在校生と卒業生の関わり合う場として開設される、と言われると、断る理屈がない…。放蕩娘の帰還よろしく、「大学・ドイツ・演劇」と題して、我が半生記を駆け足で語らせてもらった。それに、現役のピカピカの高校生を前にした何よりのオープンキャパスかなと、我が勤務先東外大の紹介+宣伝もさせて貰って、その年には何人か外語大を受験して合格したらしい。この甲南塾は、今も「甲南新書」としてシリーズ化され出版もされている。いい企画だと思う。

 

講演後に懐かしの高校をあちこち案内・散策させて貰い、夜は盛大で暖かな同窓会の歓迎会…ここまでして頂きながら、その後も同窓生としては相変わらずの恩知らず劣等生のままで、今回の「同級生交歓」に到る、という次第。いまもなお、怠惰な同窓生のままで、エタ-ナル・ナウの芝居屋は続いているが、どこかで恩返しはしなくてはと思いつつ…。