谷川道子ブログ

東大大学院修了(ドイツ演劇)。東京外国語大学教授。現在、東京外国語大学名誉教授。

ブログ開設の辞

谷川道子です。ドイツ演劇・文化が専門で、2010年3月に定年退職して、もっかの肩書きは東京外国語大学名誉教授、といったような自己紹介は追い追いに、ここではまずは、ブログ開設の辞を....
 
先日の5月1日、母校鹿児島甲南高校の同級生交歓会なるものに参加して、半世紀振りという再会もあったりして、それぞれの個性的な活躍振りを寿ぎ面白がりつつ、話題がブログになって、私がブログへの怖さを語り、どう作ればいいのか分からないと言ったら、さすが評論家の山崎行太郎氏、そんなのは簡単に気楽に作れるから作ってあげますよという嬉しい一言・・・・まさかと思っていたら、ウッソー、という感じで、ブログ原案が数日後に届きました。ベニシアさんの庭の写真を借りた、思いやりにあふれた、花いっぱいの綺麗なページで、そんな具合に花盛りとなっていくのかなあと恐る恐る触り始めたところ。これもご縁、メカ音痴の私にもできるのかなあ、やってみようかなあと、生まれて初めて思いました。
 
これまで現役時代はゼミや研究会、委員会などもっぱらMLを活用し、退職後は教え子や仲間と谷川演劇私塾なる場を始めて、20余名ほどの仲間内の情報や意見交換どまりで事は済んでいて、HPもないホームレスと豪語しつつ、氏素性の知らない不特定多数との交信なるものにどこか不安や不信感ももっていて、何だか目に見えない得体のしれない怪物のような世界で、ブログもツイッターフェイスブックも怖くて避けていましたが、どうもそう言ってはいられないような時期に達したようです。
退職したわが身のフロー感もさることながら、世の中も、たとえば国際演劇批評家協会AICT日本支部の機関誌が、これまでは季刊の紙媒体だったのが、ついにweb媒体に移行するとのこと。アナログ世代は焦る! WEB化という時代の流れにも、ついていけるように我が身をリニューアルする必要があるのかなあと、思案中。
ビデオやVHSが不要になったように、雑誌や本も不要になるのか、劇場も舞台も・・・・・ということのないように抵抗しつつも、せっかくのご厚意、おっかなびっくりでもひとつひとつ試しつつ、残り少ない人生のギアチェンジを試みてみましょうか…。
あるいは早稲田演劇博物館の拠点プログラムで言語や国の境界を超えて4年間続けた「翻訳プロジェクト」は、未邦訳の重要な演劇文献を皆で訳して、無料でweb公開する試み。
いろんな公演や議論、シンポジウムやパフォーマンスもネットやニコニコ動画配信となり。
東浩紀の『一般意志 2.0――ルソー、フロイト、グーグル』は新手の「民主主義論」、
ユビキタスコンピューティングとソーシャルメデイアに浸透されたまったく新しい統治制度の創出」というのが、果たして本当にどう可能なのか。
あるいはネグリ/ハートの<帝国>時代の民主主義=〈マルチチュード〉はどう形成され得るのか、等々。
そんなことも考えるなら、「アナザーワールド」などと言わないで、残り少ない人生なら、あえて今のうちにちょっとずつでも学んで入って行こうかと…。我がブログ開設ごときにさほどの意気込みは要らないのでしょうが、おそるおそる開く扉です。
仲間内のMLと違って世間に向けての発信、ということは、返信やレスポンスはあるのでしょうか。「炎上」ってどんな風に起こるのかなあ。ま、不安と期待で開設します。
いつまで続くか分かりませんが、よろしくお見知り置きのほど、お願い致します。